100万の絵を買った日のこと
〜人の言葉に揺れやすい私が、自分に戻るまで〜
社会人1年目の夏。
会社帰りに、クリスチャン・ラッセンの絵画展へ行きました。
もともと絵を見るのは好きだったので、
「こんな近くで開催されてるんだ」くらいの軽い気持ちでした。
まさかその日、
100万円の絵を分割で買う契約をすることになるなんて、思ってもいませんでした。
想像つきますか?
社会人1年目の子が、100万の絵画を買うなんて。今なら、誰かが止めたくなる気持ちもわかります。
私は、まんまと、100万円もするラッセンの絵を、分割で購入する契約をしてしまったんです。社会人になったばかりで、貯金もほとんどないのに、100万円の絵画。
今思うと、何かがバグっています。
でもそのときの私は、買ったことが、買えたことが、少しうれしかったんです。
家に帰って、兄弟にその話をしました。
すると返ってきた言葉は、
「お前はバカか」でした。そのあとに続いたのは、
「絵なんて値段があってないようなものだぞ」「どこに飾るつもりだ」
「お前、だまされてるぞ」「絵の価値がわかるのか」
そんなふうに責め立てられるように怒られました。
そのときは、「何言ってるのよ。いいでしょ。自分のお金なんだから」と、心の中で反撃していました。若かったですよね。今思えば。
翌日、落ち込みながら会社へ行くと、上司が声をかけてくれました。
「今日はどうした?元気ないけど」。私はたぶん、絵を買ったことを話したら、慰めてもらえるかもしれない。そんな甘い期待をしていたのだと思います。でも、返ってきた言葉は
「だまされてるね」でした。
「社会人になりたてで、そんなもの買うのか」「今すぐクーリングオフしてこい」
今思えば、本当にありがたい言葉です。道を外れそうになっていた私を、ちゃんと止めてくれた言葉でした。
そして、気の弱い私は、「クーリングオフしたいです」なんて、自分ひとりでは言えませんでした。そんな性格だとわかっていた上司は、会社が終わったあと、一緒にその絵画展に付き添ってくれたんです。ありがたいですね!
今思うと、私は本当に人の言葉に影響されやすい人間です。
多分、今もそれは変わっていないような気がします。
絵画展の人の言葉にも揺れた。兄弟の言葉にも揺れた。上司の言葉にも揺れた。10人の人がいたら、10人それぞれの意見に「そうかもしれない」と思ってしまう。
そんな自分がいます。
この性格が嫌いなわけではありません。あっ冗談が通じないともよく言われます。でも、影響されやすいことは、悪いことだけではないのかもしれない。
人の言葉を受け取りすぎてしまうから、傷つくこともあります。でも同時に、人の言葉に救われることもあります。あの日の私は、危なっかしかったです。
兄弟や上司の言葉に揺れたからこそ、ちゃんと戻ってこられたのだと思います。
今思えば、あのとき上司が一緒に来てくれたことは、本当にありがたいことでした。誰かの言葉に揺れやすい私。その自分を責めるだけではなく、「私はそういうところがあるんだな」と知っておくことも、大事なのかもしれません。
そして、揺れたときに、自分に戻るための問いを持っておくこと。
それも、今の私には必要なのだと思います。今日も、誰かの言葉に揺れすぎた心が、少しだけ元の場所に戻れますように。
次の記事では、ブレブレの私がつくった、「自分に戻るための15の質問」を書いてみようと思います。参考になるかはわかりません。でも、同じように誰かの言葉に揺れやすい人に、そっと届いたらうれしいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。



心に響きました。ステキな上司の方ですね。実は私も、似たような経験があります。初めてのお給料で、50万円くらいの着物を分割で買ったんです。喜びながらも、5万円くらいの浴衣を買うはずだったよね?私?みたいな違和感はありました。なぜ10倍?周りからも、「ほんと、騙されやすいよね。これを教訓にして、買う前に、家族に聞いてからにします」と答えるようにと何度も教えられました。結局着物は、1度しか着ないままでした・・。その後も似たような経験を何度かしています。苦い思い出たちですが、今は良い教訓になったと思っています。どんな失敗も、良い経験になると感じます。次回も楽しみにしていますね^^
父のような上司!
人の言葉に影響されやすい、冗談が通じにくいはなももちゃんは、凄く真っ直ぐで、人を最初から疑わない人なんだね。だからそんな上司が、一役買ってくれたんだと思う。
100万円で買ったのは絵じゃなくて、問題解決にひと肌脱いでくれた、上司との出会いだね。
そう解釈したら、100万円の価値がでる。